金銭的なボーナスによってパフォーマンスは27%上がる?【Tokyo Data Science Lab 2018 基調講演書き起こし vol.3】

インセンティブがもたらす生産性の向上

そろそろみなさんもボーナスの時期なのではないかと思います(イベント開開催は2018年12月)。今回はそれには少し間に合わないかもしれませんが、実はインセンティブと生産性に関するメタアナリシスがすでに存在しているのです。

「Performance Improvement Quarterly」という、仕事のパフォーマンスを上げるためにはどうしたらいいかを研究している論文誌があります。この中で、自分たちの業績に連動したかたちで報酬設計がされることによって、どれくらい職場のパフォーマンスが上がるのかということをメタアナリシスにしてみた研究が紹介されています。

この研究からは「金銭的なボーナスを出した方が生産性は上がる」という結果が導き出されています。

金銭的なボーナスはモチベーションを下げるから、表彰するほうがよいのではないかという意見がありますが、少なくともこの研究結果からは、金銭的なボーナスを出した場合、27%程度パフォーマンスが上がるという結論が出ています。一方、「Non-Monetary」、表彰するような場合は13%にとどまっています。

ですから、これを根拠にぜひ会社に戻られたら「金銭的なインセンティブを与えたほうが生産性があがりますよ」と上申してみてください(笑)。

個人より、チームのパフォーマンスとインセンティブを紐づける

ただ、実は、インセンティブが金銭的かどうかという以上にもっと大事な視点があるんです。

個人のパフォーマンスに紐付けてインセンティブを出すか、それともチームのパフォーマンスに紐付けてインセンティブを出すかを比較したところ、個人に対してよりも、チームパフォーマンスに対するインセンティブにした方が効果が大きいようなんです。チームパフォーマンスに対するボーナスではなんと、平均して48%もパフォーマンスが上がるというんです。

個人のパフォーマンスに基づくインセンティブだと、社内で互いに協力したりノウハウを共有したり、数字として見えにくいような仕事をしても得はしません。一方、チームのパフォーマンスにインセンティブを紐付けると、各自がチーム全体のスループットを上げていこうとするため、より組織としての生産性が高まるのではないかとも考えられます。

これはあくまで平均で、主にアメリカのデータをもとにしていますから、みなさんの職場でそのまま適用できるかどうかはわかりませんが、学問的な結論としては、金銭的なボーナスを、チームのパフォーマンスに基づいて支給したほうがスジの良い考え方ではないかということになります。

続きます。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

3

シティズンデータサイエンスラボ

「データサイエンスをみんなの手に。」を目標に掲げるデータビークルのオウンドメディア。「シティズンデータサイエンス」とは、統計学の専門家ではない一般の人々が、ツールを活用して手軽にデータを活用すること。豊富な実践事例や読み物で、データ分析の世界をより身近なものにします。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。